セックスレスといっても、セックスが出来なくて悩んでいる人もいれば、敢えてセックスをしないという選択とっているケースもあります。今回の報告者は「セックス」と「パートナーとの関係」を切り離し、セックスレスを悩みとしてではなく前向きに捉えな考えとして受け止めている方です。ぜひ、こんな考え方もあるんだなと参考にしてみてください。
令和2年某月、私たち夫婦の結婚生活は5年目を迎えようとしています。
夫と出会って10年、結婚生活が4年を過ぎました。子供はおらず、DINKsカップルです。
※DINKs(ディンクス)とは、共働きで子供を意識的に作らない、持たない夫婦のこと
長期休みには2人で海外旅行を楽しみ、週末には近所のお気に入りのフレンチレストランに食事や、映画鑑賞、買い物など夫婦2人の気ままな生活を楽しみ将来に備え貯金もしっかりしています。
私たち夫婦を知る友人たちからは「とても仲のいい夫婦でうらやましい」といわれることも少なくありません。自身もそう感じていますし、夫と結婚したことで温かく優しい気持ちで毎日を送ることができています。そしてとても幸せです。
私たち夫婦にないもの。それはセックスです。
「空気のような存在」でセックスレスに
もちろん、付き合いたての頃はセックスを頻繁にしていました。しかし、同棲をしはじめ一つ屋根の下で暮らし始めると、互いに空気のような存在となりセックスをすることもなくなってきました。
仕事が忙しい、疲れている、など理由は思い浮かばないわけではありませんが時がたつにつれ、私たち二人の間にセックスという結びつきが皆無になりました。
この話を友人にすると
「愛されていない」
「男として失格の旦那だ」
など耳をふさぎたくなるような言葉を言われたこともたくさんありました。私自身も周りの言葉を鵜呑みにし「夫に愛されていないのではないか」「ほかにいい男性がいるのではないか」と本気で悩みました。
「セックスレスなのは夫婦間で愛情が乏しいのではないのか」
「私に愛情がなくなってしまったの?」
このような相談を私から一度夫に対して持ち掛けたことがあります。それに対する夫の反応は、
「こんなに愛情があるのにわかってもらえないなんてつらいね」「そしてもう僕は二度とセックスはしたくない。そもそもセックスは好きじゃないのだよ」といったものでした。
絶望や悲しみの感情以上に夫は性行為そのものに関心がない特異なタイプの男性なのだ、と彼の特性をすっと受けいれることができたのを覚えています。
夫以外の男性と体の関係を持つも…
そして悶々としているときには、誘惑の声がかかるのですよね。
「かわいい」「美しい」そんな甘い言葉に誘われ、ほかの男性に心を動かされ行為に及びました。
結果、快楽は刹那的なもの。得たものは今でも胸に刻み込まれている罪悪感と後悔だけ。
夫以外の第三者とのセックスで得るものなど何もない。私はセックスがなくとも夫との間に「家族」としての強い結びつきだけがあればセックスはなくても幸せに暮らしていけるということが分かったのです。
なぜセックスのない夫婦関係を受け入れることができたのか。私は夫婦間のセックスの有無以上に「家」という場所にこだわりが強いタイプの人間だったのです。それは私の生い立ちが非常に影響しているのではないかと思います。
私の生まれ育った家は、肉親同士が罵り合い、詰りあい、互いに傷つけあるような歪な人間関係が構築されていました。家は安らげる場所でもなんでもなく恐怖心を与えられる場所でしかなかった、だから私は温かい家庭が欲しかった。夫と結婚をすることで幼き頃からの夢を手に入れた、夫がいてくれるだけでいい。だから私は夫との間にセックスはなくてもいいんだ。そう思えるようになったのです。
セックスレス=別れではない
現在私は、不妊治療外来に通っています。医療の力にたよりつつ子供を授かり、夫と家族として生きていくことを選びました。
人間には「食欲」「性欲」「睡眠欲」の三大欲求があります。いずれも生きていくための生理的欲求であり生活の中で欠かすことはできないものですよね。ですから、セックスレスが原因となりパートナーとの関係に亀裂が入り、別れに踏み切る人もいることは確かです。
しかし、もしパートナーとの関係性が満たされ、セックスレス以外に問題がないとするのであればセックスレス=別れに結びつけてしまうのは早合点なのではないかなと私は思います。
自分の心が満たされていないとパートナーにも自分にも優しくおおらかになれませんよね。パートナーと幸せな毎日を送るために、まずは自分を満たしてあげること。つまり、セックスをパートナー以外でアウトソーシングするのも場合によってはアリなのではないかなと思います。もちろん、一般的にそれは不貞行為というものですから公にするのはNGですし、秘密の関係を守る必要性がありますが(笑)
自分が幸せに生きるために、セックスとパートナーと歩む人生を切り離して考える。そんな選択肢も時にはアリなのではないのかなと私は思うのです。